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2017/04/12 13:01

こんにちは!つるうちはなです。

セルフライナーノーツも残り二本となりました。
今日は、1stフルアルバム「つるうちはな」についてのエピソードやいろいろをお届けします。

このアルバムは、昨年12月に急逝した、音楽家の橋口靖正さんと一緒に作りました。
橋口さんは本当に突然ぽっくり行ってしまって、気持ちの整頓がずっと追いつかなかったけど、最近はやっと実感が湧いてきています。
「あ、そういえば、もう居ないんだ」って思うことが何度も何度もあって、その繰り返しの中で少しずつ、橋口さんがもう居ないってことを受け入れてきました。

帯の「これ、遺作でもいい。」は、私と橋口さん、というタッグにとっては、本当に遺作になってしまった。

そしてこのアルバムは本当に最高の作品で、これがきっかけで出会った人たちが本当にたくさんいて、今も支持され続けていて、これからもずっと、私の大切なファーストフルアルバムです。



このアルバムは橋口さんがピアノ以外の全部の楽器を弾いていて、アレンジもほぼお任せでお願いしました。
橋口さんのきったない部屋に毎日毎日通って、橋口さんが編曲してる間に私は橋口さんと橋口さんの当時の彼女のための夕飯などを作っていて、半共同生活みたいな状況で作っていきました。
あんな風に誰かと生活を丸っと共有しながら音源を作ることはもうないんじゃないかって思う。

では、ここからは一曲ずつの解説です。

1「アンコール」
これが唯一私が一人で作った音です。笑 覚えたてのGarageBandで。アルバムをループで聴いてもらいたいという気持ちがあって、最後の「smile&tears」からループで聴いたときに「アンコール」が流れる、ということを想定して作りました。

2「パープルサンデー」

その昔太田成義さんと作った「パープルサンデー」をリアレンジしました。太田さんと作った「パープルサンデー」はもっと暗くてオルタナで、全然違います。(会場限定音源としてリリースしました)

私は元々ルーツに坂本龍一、YMOが根強くあるので、すっごくテクノが好きで、あらゆるサウンド、ジャンルの中で一番好きなのはテクノかもってくらい好きなんです。でも、自分の音源にその要素を落とし込むことがやっとできたのがこの「パープルサンデー」、このあとの「I AM ア 人間」だなって思います。当時きゃりーぱみゅぱみゅと発売日がかぶって、「あっちのが圧倒てきに売れててめっちゃ悔しいけど、中身は絶対負けてない!」って思ってた。笑

3「I AM ア 人間」

私が出れんのサマソニに出演するきっかけになった曲。このMVを作ったとき、私はとあるヘビーな事情で音楽業界から退こうとして占いの勉強などをしていたのですが(占い師に向いてると10人くらいに言われたから笑)、この曲のMVを思いついて1日でガーッと作って出れんのサマソニに応募してみたところ、まさかの出演決定になってしまい、「あ、音楽の神様が、"戻ってこい!”って言ってくれた」と思いました。このアレンジ、ほんと最高だよね。最近はあヴぁんだんどがライブでカバーしてくれたりして、ほんっとに嬉しかった。

4「星ガール」
今もライブでしょっちゅうやってます。つるうちはな節の極みって感じがするなあ。「乙女賛歌」とか、昔からこの手の早口ポップパンクをやってるけど、それの一つの最終系ってかんじがする。アレンジはユニコーンの「大迷惑」を意識してます。

5「思春期」
20代前半で作った自主制作CDに入ってた曲。当時のバージョンはもっと暗くて悲しいかんじだった。このアルバムに合わせてポップに可愛く仕上げました。ていうか私、昔ほんと暗かったんだよね、音楽。もっとさみしいかんじだった。いつからこんなに元気になったんだろう。笑 多分、不登校時代の暗さを引きずってのが、音楽のおかげでどんどん解放されて、元々のガキンチョのときの元気爆裂つるうちはなに戻ってきたんだろうね。(小学生まではいわゆるガキ大将でした。笑)

6「マーブルミックス」
これは橋口さんのアレンジがもうさいっこうだよね。超かわいい。曲自体は10代で作った曲です。ピアノ弾き語りでもたまにやるけど、これは弾いてて難しくて楽しいんだよね。こういうラテンなリズムの曲ってこれだけじゃないかな。

10代のときに付き合ってた人の恋愛中、「なんか男と女って混ざりすぎると全然面白くない、それぞれが独立してるほうがいい」って思って書いたんだよね。で、ほら、きれいなカクテルとかカフェモカとかってさ、混ぜると見た目つまんなくなるけど、テーブルに出されたときの混ぜる前の状態がすごくきれいでしょ。あれに例えたの。

7「彗星ラブソング」
これも10代のとき書いた曲。父がこの曲を聴いたときに初めて私が音楽をやることを心から認めてくれたんだよね。父は音楽をやっていた人で、私がデキちゃったからその道を諦めたに等しいんだけど、「俺が音楽をやらなくてよかったんだとやっと思った」って言ってくれて、それはなんかもう・・泣けるよね。本人はどうせ覚えてないと思うけど!笑

8「ちいさなひかり」

あ、これも10代のときの曲だ。私天才だな。笑 出れんのサマソニの審査員だった湯浅篤さんがこの曲をすごく褒めてくれて嬉しかった。あと、福島県に住んでるファンの方がこの曲を毎日聴いてるって言ってくれて、それも本当に嬉しかった。

9「STEP」

とても好きな曲。いろいろな人との別れについて歌ってる。人間同士の依存についてすごく悩んでいたときに作った。

私は「あ、もうこの人に私は必要ないな」って思ったら割とすぐパッと手を離す。だから多分冷たい人だと思われたことも絶対あると思うけど、実際はすごく女々しくて、別れた人たちのその後のこともずっと気にしている。でもそれを伝えることに意味はないって思う。誰かの幸せを思うとき、私の感情なんて二の次三の次でしかない。その人にとって本当にいいことを考えて、行動するしかない。そして人間はみんなそれぞれの幸せのために突き進むしかないし、本当の意味ではみんな一人なんだって自分に言い聞かせるように歌っている。

10「YOU」
大切な大切な曲。「愛してる」を初めてちゃんと音楽にできた曲。「愛してる」は本当に、簡単じゃない。だからずっと言葉にでもメロディにでもできなかったけど(昔「イノセント」という曲を書いたけど、それは愛じゃなかったとあとあと思った)、それが本当にちゃんと、私の心の中の「愛してる」がメロディになってくれた曲。メロディとコードがちゃんと、私の感じる「愛してる」の音なんです。セカンドアルバム「LOVE」で一緒に制作することになったteoremaaは、当時この曲を狂ったように聴いてくれていたそうです。

橋口さんのコーラスが本当に美しくて大好き。

みんなが持ってる心の中の一番きれいなところに届くように、祈るようにいつも歌ってる。愛はとびきり美しくてさみしい。

11「smile&tears」
ものすごく大好きな人とお別れしたあとに作った曲。誰かのせいにしたくて、自分だけは汚れてないと思いたかった私自身の弱さと徹底的に向き合って出来た。橋口さんはこの曲が一番好きって言ってくれてたな。つるうちはなが大人になった瞬間がリアルに詰まってると思います。


なんか泣きながらこれ書いてますが。笑
やっぱりこのアルバムはすごいな。愛とポップの塊だね。大好き。これ聴いてない人損してるよって思うもの。笑

次回はラスト!セカンドアルバム「LOVE」について書きます。
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つるうちはな旧譜祭りは4月末まで。今なら全タイトルにサインしてお送りします。
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